日時:2020年 9月26日(土)10時〜15時
会場:立岩交流センター (飯塚市)
参加者:31名 (会員27名、ろう者4名)
講師:吉野 幸代氏
内容:『旧優生保護法の裁判に関わって』
〜旧優生保護法の裁判闘争から見えてきたものとは〜
秋晴れの一日、久しぶりにみなさんと集まることができました。
新型コロナウイルスの感染拡大で、7月の予定を9月に延期しての開催。
コロナ禍なので、部屋の定員も半分以下の制限があり、先着50名にしました。
手指消毒、非接触型体温計での検温、マスクをつけてもらい、換気をしながらの研修会。
定員には至りませんでしたが、それでも、集まれたことが嬉しく、楽しく学べた一日でした。
講師の吉野さんは、福岡県はもちろんのこと、九聴連や全日ろう連でも理事を務められ多忙な方です。
特に、ここ数年は、旧優生保護法の裁判に関して、各地で講演もされておられます。
昨年12月24日、福岡県のろう者が国に提訴されました。
私たちも支援する会のメンバーとなり共に活動していますが、旧優生保護法について、みんなで学ぶ必要性を感じていました。
ぜひ、吉野さんのお話を聞きたいとお願いし、楽しみにしていました。
吉野さんのお話は、とてもわかり易く、旧優生保護法の歴史、48年間続いてきた背景、被害者の全国調査の事例など
知らないことも沢山教えていただきました。当時、不妊手術を勧めざるを得なかった家族やろう学校の先生が決して悪いわけではなく、
法が廃止されるされるまでに、何と長い時間がかかったことか!その間、沢山の被害者が出ていたこと、国連から勧告を受けたにも関
わらず、国がこの法律の間違いを認めなかった責任は実に重たいと改めて感じました。
2018年に宮城県で知的障害者が初めて提訴されました。聴覚障害者は、兵庫、大阪、静岡、そして福岡。原告は11人だそうです。
福岡県は配偶者が提訴されました。ろう者の保佐人が付いているのは福岡だけとのこと。「国が行ってきた不妊手術により人間としての
尊厳が奪われた問題と聴覚障害者への情報保障についても闘っていく」との、熱い思いもかたっていただきました。
サプライズで参加者の一人で原告の立場からのメッセージもありました。しっかり応援したいと思いました。裁判の傍聴だけではなく、
カンパとして資金の援助や、学んだことを伝えていく事、広報誌に載せたりするなど支援の方法はたくさん考えられます。
一人一人が学習し、広めていくことの必要性を改めて感じました。
午後からは、旧優生保護法に関する手話単語を正しく教えていただき、一時支給金についての手話動画(全日ろう連HP)を拝聴しました。
こちらも勉強に成りました。手話は吉野さんが担当されています。多くの人にぜひ観てほしいですね。5年間という申請期間に、この動画を見て
申請される方が増えたら良いなぁと思いました。聴覚障害者は情報が少ないです。手話動画での啓発はとても大事ですね。
その後、グループワーク。講師から3つの課題をいただきました。
@一時金に関して被害者にどのように周知していくのか?
A裁判はどのように支援していくのか?
B優生思想をどうやってなくしていくのか?
5つのグループに分かれ、みんなで意見を出し合い、各グループの発表後、講師のまとめとなりました。
とても有意義な時間でした。特にろう者の参加があり、みんなで考え、内容が深まったと思います。
私たちは、やはり会うことで元気をいただいているのだと、実感しました。
午前中の講演は、DVDにして会員に配布予定です。どうぞお楽しみに!
第2回公判が11月5日(木)に福岡地方裁判所で行われます。支援も、がんばっていきましょう!
第1回研修会、開催できて本当に嬉しかったです。
講師の吉野さん、お忙しい中ありがとうございました。
参加者のみなさん、運営委員のみなさん、お疲れ様でした!
第2回研修会は2月に開催する予定です。